バイアスがかかりがちな政治のニュース

政治のニュースを見ると、テレビ局、新聞社、雑誌など媒体によって、その報道の仕方が全く異なることがあります。同じ政治のニュースを取り扱いながら、その報道の仕方が180度異なるのは、どちらかがウソをついているのではないかと思うほど、全く違う取り上げ方をするケースがあります。実はこうしたことはジャーナリズムの世界では普通であり、むしろ情報が一元化することはあまりよくない傾向とも言われています。そのため、バラバラであることはいいことですが、バイアスがかかってしまいがちなのも政治のニュースならではです。
バイアスがかかりがちな政治のニュースとしては、時の権力者に忖度をするようなものがあります。この人がトップにいることで日本の経済はうまく回るというような記事を書き、確かにそうなんだろうと思わせるものがそれです。しかし、本当に日本の経済がうまく回っているか、その見方は人によって違います。株価だけで判断をすれば確かに経済はうまくいっているけれど、それ以外の指標をみれば到底景気がいいとは思えないという状況になっていることもあるため、何を根拠にそう思っているのかが見えてこない記事はバイアスがかかっているといってよさそうです。
次に、人々の感情に訴えかえるような政治のニュースが出始めた時は注意が必要です。政策の中身ではなく、国民の感情を揺さぶるような記事などが出てくるようになると、その部分を国民は見るようになります。そうなると、政策の中身でみようとはしなくなります。政策を吟味し、どちらがいいのかという作業を繰り返すことで政策がブラッシュアップされていくため、それを放棄するような報道が出始めるとそうしたこともストップしてしまいます。そのため、こうした報道をよくするメディアというのはあまり信頼できるメディアとは言えません。
国民がこうした報道を見ていくうえで、自分にとって気持ちのいいものを探すのではなく、どのような根拠があるのか、そして、どれだけ違う見方があるのかを知ることが大事です。そうすることでこれをソースにしているから正しい、これはソースがないので怪しいというのがわかるようになり、独自に考えることができるようになります。そして、行動を起こしていき、これは違う、こうあるべきだという声を出していくことで、適当な報道が出来なくなります。そうした意味では国民がこうした報道を変えることができると言えます。