東京オリンピックの「経済効果予測」はおかしい

皆さんは、東京オリンピックを開催することで日本経済にはどのような影響が出てくると思いますか?
実は、東京オリンピックに期待される経済効果の予測はばらばらなのです。
東京都や民間のシンクタンクによれば、およそ7兆円~32兆円という途方も無いような経済効果が予測されています。
この数字だけを見ると、とても良い影響を東京オリンピックは日本にもたらしてくれるような気がするでしょう。

しかし、この数字を見たときに、どうしておよそ7兆円~32兆円と幅広い予測になっているのか疑問に思って欲しいのです。
このようにばらばらな予測が出ているのは、そもそも経済効果という概念自体があいまいなものだということになります。
もちろんオリンピックを開催する国の政治家は、経済的な恩恵を約束するでしょう。
ただ、オリンピックの経済効果は幻想に過ぎないという考え方があることも知っておいてください。
それどころか、オリンピックのようなスポーツイベントを開催することが経済的な負担になるのではないかという考え方もあるくらいなのです。
『オリンピック経済幻想論』という本を書いているアメリカのアンドリュー・ジンバリスト氏に関しては、「オリンピックへの投資は、まったく投資としての価値はない」と断言しています。
また、シカゴ大学の教授であるアレン・サンダーソン氏は、「オリンピック向けに完璧な施設を建てても、大会が終われば邪魔ものでしかなくなる」とも言っています。