大人になったら「経済」に興味を持つべきか

いわゆる「普通の大人」とは、社会に出て自立した生活を送っている大人のことを指します。もっとも、ここ最近は年齢を重ねても両親と同居し、家事の一切をすることなく甘えた生活をしている(年齢的に)大人もたくさんいます。とはいえ、これ自体が良いとか悪いとかいう話ではなく、働いて収入を得ている状況であるならば「日本経済に加担している」といえます。

「経済」という単語だけを見ると、専門家やその道に深い造詣を持つ人以外には難しい話のように思われてしまうことが多いです。しかし、「働く」「買い物をする」「貯金をする」などの行動は基本的にすべて経済という中に含まれています。つまり、少なくとも自分の労働力もしくは知識をベースに収入を得ている状態であれば、十分にその役割の一役を担っているということです。

しかし、改まって「経済」ということを理解しようとしている人はそれほど多くはありません。他人事のように認識してしまっていることが最大の要因ですが、特に深く知ろうと思わなくても日常生活で困ること自体がほとんどない状況も大きく関係しています。では、一般的には何も興味を持たない状態で良いのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。

もちろん、一切興味を持たなくとも不自由のない生活を送ることは可能です。むしろ、知らないまま非常に裕福な生活を送っている人も少なからずいて、「何のために学ぶ必要があるのか」と疑問を持ってしまうこともあります。しかし、意味があるからこそ学問として成立している分野であり、深く専門的な知識を身に付けることができれば、生活水準を上げる上でも非常に効果的です。

たとえば、「商売をするときの基本」がどういうものなのかを知っていれば、それが可能な状況になったときに気づくことができます。要するに、「安く仕入れて高く売る」というのが基本原理であり、これは小売業に限ったものではありません。「投資」を行う際にもこの原理が基本となり、安い時期に投資して高くなってから利益を上乗せして回収するというのが基本的な流れです。

今や老後の生活をどのように安定させるのかが大きな課題となっていて、いわゆる「個人年金」などを駆使して何とか安定した老後を送るための工夫をすることが大切です。しかし、これは単にお金を貯めておけばよいという話ではなく、その多くが「運用」によって資金を確保します。つまり、知らなくとも生きてはいけるが、知っていればより良い生活を手に入れられる可能性が広がるということです。