経済の由来と景気のメカニズム

経済という言葉の語源は経世済民という言葉と言われています。
経世済民には世を治めて民を良くするという意味があります。経済という言葉を平たく言えば主にお金の流れを良くして人々にとって良い状態を作ろうという意味に解釈できます。

経済を語る上で必ず触れておかなければならないのが景気です。昨今では人々がごく自然に不景気という言葉を口にする機会も増えてきました。不景気とは世の中に出回っているお金が少ない状態であり、人々がお金を使うことに躊躇している状態のことを指します。
不景気は社会全体のことを表す言葉であり、個人個人では必ずしも実感できるとは限りませんが、自社の製品の売れ行きが落ちたり、サービスの利用者が減ったりすると不景気を実感することがあります。
不景気の際には物が売れにくくなるので、値段を下げざるを得ず、その結果が収益が減るため、失業者が増えていきます。失業者が増えるとお金を十分に使える人口が減るのでさらに物が売れにくくなる傾向があります。
この一連のサイクルをデフレスパイラルとも呼び、経済状態としては非常のまずいと言えます。

逆に好景気は物が売れやすい状態であり、どんどん商品が売れていくことで給料も増え、物の値段を上げることが可能になります。これがインフレです。不景気であっても、好景気であっても、国内にあるお金の総量はあまり変わらないことが多いです。つまり、不景気と好景気を分けるのはお金の有無では無く、使うか使わないかということに集約されます。
従って人々がお金を使いたい環境を作り出せば不景気からの脱却が理論上は可能となります。政府は税金を下げたり、公共投資を行うことで人々がお金を使いやすい環境を作ることができます。中央銀行では金利を下げてお金を預けておくメリットを減らし、お金を借りやすい状態を作ることで市場に入ってくるお金を増やそうとします。これらを活用すれば経済は良くなるはずですが、それがなかなかそうもいきません。

まず税金ですが、これは景気だけのことを考えれば下げることがベターと言えますが、国の財政状況からすると税収を増やすために上げざるを得ないこともあります。また、中央銀行金利に関しても既に下げた状態になっていれば、もう下げ幅が生み出せません。景気は人々の気持ちとの相関関係が深いことも重要なポイントです。例えばテレビで景気が悪いとの報道を見れば、将来へのお金を出し渋ってしまい、さらに不景気を進行させてしまうことに繋がります。人々が楽しくお金を使おうと感じられれば、どんな経済政策よりも大きな影響を生み出すかもしれません。